モクテル手帖〈 17時30分の無花果と金木犀ティー 〉page.1

モクテル手帖〈 17時30分の無花果と金木犀ティー 〉page.1

“ドリンク作家”として活動するemmyさんが作り出す、ノンアルコールのカクテル=モクテル。それをひと口味わうと、お茶の新しい扉が開けるよう。今日も、そんな果物の甘美な魅力に酔いしれながらお茶と戯れる1日の時間を綴る。

17時30分の「無花果」と「金木犀ティー」

初秋の果実といえば、梨、柿、葡萄、そして無花果。

夏の終わりから秋にかけて旬をむかえたみずみずしくも甘い果実たちは見るだけでも胸が躍る。

花を実の中で咲かせる無花果に大人っぽさを感じるのはその控えめな性質と、幼いころから慣れ親しんだ梨や柿とは違い、無花果がある程度大人になってから出会ったもののひとつだからかもしれない。

あまく熟れた無花果を水と少量の甜菜でぐずぐずになるまで煮込み、熟成ワインビネガーとカルダモン、シナモンリーフを加えてひと煮立ち。冷めたら粗めのザルで濾して冷蔵庫へ置いておく。

17時30分。
うっすらとあたりが暗くなり、すこしずつ日が短くなってきたことこの頃。

グラスに仕込んでおいた無花果のコンポートシロップと水出しをした金木犀の釜炒り茶を注ぐ。ほんのすこしだけ炭酸を加える。

口の中でぷちぷちと炭酸と種が弾け、濃密な無花果と茶の香ばしさを味わう。喉を潤したあとにふわりと立ち上がる金木犀はすぐそばの秋を予感させる。

気持ちの切り替えが得意ではないからこそ、昼から夜のあいだの時間に余白を取り入れたい。やさしい秋の香りに包まれながら、すこしだけ思考を手放す。

<無花果のコンポートシロップ材料>
無花果
水
甜菜
熟成ワインビネガー
カルダモン
シナモンリーフ

<水出しの金木犀>
金木犀ティー・・・4g
水・・・120ml
◎水→金木犀ティーの順に透明急須に入れて、一晩おいて完成。

炭酸・・・少量

使用したお茶

ドリンク作家 emmy

ノンアルコールを専門とするドリンク作家。 物語のあるオリジナルドリンク制作のほか、企画、監修などを行う。建物と餡子好き。Instagram:@emmyemi_
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