「ほうじ茶、 美味しさの秘密」- TOKYO TEA JOURNAL 巻頭コラム

「ほうじ茶、 美味しさの秘密」- TOKYO TEA JOURNAL 巻頭コラム

TOKYO TEA JOURNALの巻頭コラムをご紹介。お茶のこと、うつわのこと、お茶菓子のこと。
私たちが企画した商品やよいと思った品に、向き合って、改めて見つめてみて思ったことや考えたことをお伝えします。

ほうじ茶、 美味しさの秘密

一口飲めば、広がる深い世界。気がつくとそばにいるような、ホッとさせてくれる味わいが、ほうじ茶の魅力のひとつだ。私たちが大切にしている「シングルオリジン」という、ちょっとマニアックな概念。もちろん、ほうじ茶もシングルオリジンをご用意している。

シングルオリジン煎茶は一本の木から最高の部位だけが丁寧に選び抜かれたエリートのようなお茶だけど、その茎だけで作ったほうじ茶も、とっても美味しい。

なぜ茎が美味しいのか。

それは、茎が新芽に栄養を送る通り道で、カフェインが少なく旨味成分であるテアニンが比較的多いから。あまり目立たないが、自然な甘さが際立つ隠れた逸材だ。

焙煎の技術も、ほうじ茶の魅力を引き出す要。私たちのほうじ茶は「遠赤外線」を採用している。遠赤外線焙煎はお茶の内側にも均一に熱を加えることができるため、焦げ付きにくく、香ばしさや甘みを引き出す手法だ。その結果生まれるのは、きらびやかな味わいとクリアな香りをもつ一杯なのである。

実は、ほうじ茶が生まれたのは比較的最近のこと。

大正末期から昭和初期頃に、京都の茶商たちが、山のように残った茶葉の活路を模索し、偶然鍋の中で焦がしてしまったことから生まれたのだそう。そこから沢山の人が研究に研究を重ね、今の美味しいほうじ茶がある。

一杯のほうじ茶に、歴史のロマンを感じながら、ゆっくりと味わう。茶葉にお湯を注ぐだけで、そんな心温まる瞬間が訪れるなんて。ほうじ茶は、日々の生活にもっと彩りを添えてくれる飲み物だと思う。

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