ひとつ置くだけで景色が整う、南裕基「隅切り盆 黒」
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シャープな線と、手仕事ならではのやわらかな表情が共存する、木工作家・南裕基さんの「隅切り盆」。今回は、深い黒色に仕上げられた「隅切り盆 黒」を、お茶の時間に取り入れてみました。
南裕基「隅切り盆 黒」

愛知県蒲郡を拠点に活動する木工作家・南裕基さん。中国茶を趣味として始めたことをきっかけに、台皿や茶さじ、茶托、お盆などの茶道具も手がけています。作品には、神社や寺院などの建築物から得た着想が取り入れられることもあるそうです。
「隅切り盆」は、両端にゆるやかな曲線を取り入れた、端正な佇まいのお盆。特徴的なのは、すっと細く立ち上がる縁です。制作の際には、その厚みを1ミリ単位で調整し、試作を重ねた末に4ミリというバランスにたどり着いたといいます。

黒く仕上げられた今回の一枚は、その輪郭がよりくっきりと浮かび上がるのも魅力。白や淡い色の器を置けば、黒とのコントラストでそれぞれの形が際立ち、いつもの茶器も少し違った表情に見えてきます。
一方で、黒一色の平坦な表情ではありません。光が当たると、表面に残された細かな彫り跡が浮かび、場所によって黒の濃淡が生まれます。手で触れたときにも木の表情を感じられ、使うほどに手の脂が馴染んで味わいが増していくのだそう。

横長のかたちは、急須と茶杯を並べたり、茶葉の缶と湯冷ましを置いたりするのにもちょうどいい大きさ。器の色や素材を選びすぎず、白磁のすっきりとした茶器にも、土の表情を残したやわらかな色の器にも自然に馴染みます。

茶器をいくつか並べるだけで、その一角がひとつの景色としてまとまるのも、お盆を使う楽しさ。黒の静かな存在感が、器と器の間をつなぎながら、お茶の時間をきりりと引き締めてくれます。
毎日のお茶にはもちろん、少し気分を変えてゆっくり一服したい日にも。器を選び、並べる時間まで楽しみたくなる一枚です。











